気功・太極拳と中医学

 中医学とは、人体と自然界を一体ととらえ、「気」「陰陽」「五行」「経絡」などの理論をもとに、全体のバランスを調整することで健康を回復・維持する伝統医学です。
 気功や太極拳、漢方、鍼灸などがすべてこの体系の一部であり、治療だけでなく養生(セルフケア)にも大きく貢献しています。
 中医学の特徴的な考え方を列挙します。
1)人体を臓器や部位の集合ではなく、気・血・内分泌などがバランスを取り合って働く一つの有機体としてとらえます。病気の原因が体全体のバランスの崩れと見なすため、局所ではなく全体を治すことを重視します。
2)人によって、同じ症状でも原因や体質が違うため、治療法が異なります。
3)人間も自然の一部であり、古来中国で自然の法則と考えられている、陰陽(バランス)、五行(相互関係)に則った治療を行います。
4)気(生命エネルギー)の流れが滞ったり不足すると病気になると考えられています。治療や養生では、気の補充・巡りの改善が重要視されます。
5)「病気を治す」より、「病気にならないようにする」ことを目指します。心身を調和し、自然と共に生きるという考え方を重視します。
 このような考えのもと、気功については、呼吸・意識・動作を組み合わせて、体内の気を養い、調えていきます。太極拳については、陰陽のバランスが取れた太極の状態で、螺旋状に勁力をつなげていきます。

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