
右の図は、太極図といわれるもので、中国古来の陰陽思想が反映されています。自然界や人間社会のあらゆる現象を「陰」と「陽」という二つの対立しつつも調和する要素で説明する思想です。
陽と陰の関係を一部列挙すると、明↔暗、動↔静、外↔内、上↔下、熱↔冷、男↔女、昼↔夜、夏↔冬などがあります。
太極拳に当てはめると、陽↔陰…開↔合、昇↔降、吸↔呼、実↔虚ではないでしょうか。
陽の動きは、気を外に放ち、身体が伸び、意識は外向きであります。
陰の動きは、気を内に収め、身体が沈み、意識は内向きであります。
太極拳の「円の動き」は、この陰陽の転換が絶えず循環している軌跡そのものと言えます。
陰陽説の四つの基本法則
1)転化(相互転化)
陰が極まると陽に転じ、陽が極まると陰に転じます。
例:真夜中(陰の極)から夜明け(陽の始まり)へ移るなど。
2)対立(相対)
陰と陽は相反する性質を持ちます(例:暑い⇔寒い、男⇔女)。
3)依存(相互依存)
陰がなければ陽は存在しません(例:夜があるから昼があるなど)。
4)消長(しょうちょう)
陰が強くなれば陽が弱まり、陽が強くなれば陰が減ります。
例:昼が長くなれば夜が短くなるなど(夏至・冬至)。
このように、陰陽説は「あらゆる現象は二つの相反する力のバランスによって成り立つ」という普遍的な原理を表しています。
人体も自然と一緒で、陰陽で構成され(陽:気・血の流れ、活動、体温、代謝 /陰:体液、栄養、静養、構造)、陰陽のバランスが崩れると病気が生じると考えられています。
気功や太極拳は、気(生命エネルギー)の流れを整え、陰陽のバランスを体内で調和させることで健康を維持していきます。


コメント