五行説

　中国古来の考え方として、万物は木・火・土・金・水の五つの元素に分類され、相互に影響を与え合っている「五行説」があります。人間も自然の一部であり、体内の臓器を陰陽五行に分類して、相互バランスを説明しています。
　◆ 五行と臓腑の対応
　五行にはそれぞれ、臓器・感覚器・情緒・季節などが対応づけられています。

　中医学では、五行の「相生（そうせい）」「相克（そうこく）」という関係を使って、臓器のバランスを診断します。
● 相生（助け合う関係）：木 → 火 → 土 → 金 → 水 → 木（循環）　例：肝（木）は心（火）を助ける。
● 相克（抑制する関係）：木 ⊣ 土、土 ⊣ 水、水 ⊣ 火、火 ⊣ 金、金 ⊣ 木（制御）
　　例：肝（木）が脾（土）を抑えすぎると消化不良になる。

　陰陽五行説による臓器の対応関係は、中医学の診断・治療の基本です。それぞれの臓器が五行の自然のリズムに対応しており、病気や不調は「五行のバランスの崩れ」として捉えられています。
　気功や太極拳においては、腹式呼吸により横隔膜を上下運動させ、内臓を活性化させます。また、心や身体をリラックスさせることで、副交感神経が優位になり、本来の臓器の活動を活発化させます。