経絡とは、体内を流れる気の通り道とされるもので、全身に張り巡らされています。
臓腑(内臓)と体表(筋肉や皮膚)をつなぎ、生命活動を調整するとされています。
具体的には、「十二正経(じゅうにせいけい)」と呼ばれる12本の主な経絡と、それを補う奇経八脈(きけいはちみゃく)などがあります。

気功を行うことで体内の「気」を活性化させ、経絡を通じて全身に巡らせます。これにより、気の滞りが解消され、健康のバランスが取れるとされます。
経絡の気の流れが滞ると、東洋医学では「病気」や「痛み」「不調」が起こると考えます。気功によってこの流れがスムーズになると、自然治癒力が高まり、体調が回復するとされています。
高いレベルの気功修練をすると、気がどの経絡を通って流れているか、体感としてわかるようになるといわれています。経絡上にある「経穴(ツボ)」は、気の出入り口とされ、気功の際に意識を集中させるポイントになります。
◆ 十二正経と対応する臓腑(臓器)一覧
| 経絡名 | 臓器 | 流れの部位 | 働きの概要 |
| 肺経 | 肺 | 胸~腕の内側 | 呼吸・気の生成・体表の防衛(免疫) |
| 大腸経 | 大腸 | 手~肩~顔 | 水分の吸収、排泄の調整 |
| 胃経 | 胃 | 顔~胸~腹~脚の前面 | 飲食物の受け入れ、消化 |
| 脾経 | 脾 | 脚の内側~腹 | 消化・吸収、気血の生成、湿の調整 |
| 心経 | 心 | 胸~腕の内側 | 血流・精神活動(意識・感情) |
| 小腸経 | 小腸 | 手~肩~顔 | 消化吸収の仕分け |
| 膀胱経 | 膀胱 | 頭~背中~脚の後面 | 尿の貯蔵と排出、体の水分代謝 |
| 腎経 | 腎 | 脚の内側~腹 | 生命力の源(精)、成長、生殖、骨・脳・耳の健康 |
| 心包経 | 心包 | 胸~腕の内側 | 心の保護、感情や血流の調整 |
| 三焦経 | 三焦 | 手~肩~側頭部 | 気・水の代謝を全身に分配(上中下のバランス) |
| 胆経 | 胆 | 側頭部~脇~脚の外側 | 決断力・消化の補助 |
| 肝経 | 肝 | 足の親指~脚の内側 | 血の貯蔵、情緒の調整、筋肉・目の働き |
臓(ぞう):気血を「蓄える」働きを持つ(例:肺・心・肝・脾・腎)
腑(ふ):飲食物を「通す・消化する」働きを持つ(例:胃・小腸・大腸・膀胱など)
臓腑はセットで機能するペア(陰陽関係)とされ、以下のように対応しています。
| 陰(臓) | 肺 | 脾 | 心 | 腎 | 肝 | 心包 |
| 陽(腑) | 大腸 | 胃 | 小腸 | 膀胱 | 胆 | 三焦 |


コメント